日立金属支部現況 鬼本 隆(学電気H5)(会報第24号(令和元年11月)より)

鬼本隆(学電気H5)

当支部は日立金属(株)日立地区4工場(茨城工場/旧名称(高砂、電線、日高、豊浦))及び関連グループ会社に勤務している多賀工業会員で構成されています。
 今回は私が携わっている自動車用の電装部品に関する業務を紹介致します。私が所属する茨城県の茨城工場では、車メーカーやTier1向けに車載用の電装部品(車載センサ、ハーネス等)を生産しています。顧客の海外拠点での生産比率が高くなってきており、我々は、それぞれの生産拠点として、タイを始め、米州、欧州、中国地区をカバーするため、順次、生産ラインを立ち上げています。茨城工場は、マザー工場として製品の設計開発、国内向け製品の製造の他に海外工場への技術支援、製造設備の輸出等を行っています。
 私は現在、車載センサの新製品開発を担当しております。昨今、温室効果ガス(CO2)により地球温暖化が進んでいます。このまま進めば、先日の台風のような異常気象に見舞われる頻度が増えると予想されます。そのため世界的にCO2を抑制しようとする動きがあり、車としてもCO2排出基準が設けられています。その基準をクリアできるよう各車メーカーにおいて、電気自動車やハイブリット車など排気ガス(CO2)を抑えた車の開発が進められています。
また、高齢ドライバーによる痛ましい事故も多発しています。このような事故を減らすため、運転支援や自動運転を目指した施策も進められています。
 このような車には、さまざまな新しいセンサが搭載されます。当社では回転や接触、トルクなどを測定するセンサ技術を有しており、そのセンサ技術を応用することで、新たなセンサが出来ないか日々模索しております。
新アプリケーションにはどのようなセンサが必要か、顧客へのヒヤリングや市場調査などを行い、センシング方法を考案・特許化し、試作、顧客への提案を繰り返しています。センサを開発しても顧客のニーズに沿ったものでなければ評価もしていただけないため、評価、量産までたどり着く製品は一握りです。現在開発中の製品は、評価まで実施いだいており、量産まで辿り着けるよう進めていきたいと思っています。
 今後、ますます車の電動化が進む中、新たなセンサを開発することで、地球温暖化や事故減少に多少なりとも貢献できるよう努めていきたいと思います。
 多賀工業会会員の皆様におかれましても、引き続き、ご指導、ご支援の程、宜しくお願い致します。

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