日立国分事業所支部現況 鉄 則幸(学機H2)(会報第24号(令和元年11月)より)

鉄 則幸(学機H2)

ここ数年、6月から10月の間に台風等の大雨による被害のニュースを見る機会が増えている。台風というとどちらかと言えば西日本に多く被害を与えるというイメージが強く、特にここ茨城県においては、昨年までは、勢力の大きな台風が来てもそれる場合や、勢力が衰えることにより、風雨も情報より激しくなく被害をだすことなく通り過ぎて行っていました。
 一昨年ぐらいからか、報道では「何十年に一度の」という少し誇張しすぎではと思えるほどの言い方であるもあまり実感がわかないという感覚にもなっていました。しかし、今年2019年には茨城でも9月、10月にかけてまさしく何十年に一度のという表現を実感するような台風や低気圧の影響による風雨を体験する事になってしまいました。9月の千葉県に甚大な被害を出した台風15号は台風の進路がずれたことにより、これまで通り大きな影響はありませんでしたが、台風19号については台風が茨城県上空を通過する、大きな暴風圏によりこれまでにない被害が出てしまいました。私自身、被害は免れたものの初めて避難を経験しました。
 この年々大きくなっていると思われる台風は、地球温暖化の影響なのか、そうだとすれば来年以降も同じような経験をすることになってしまうのか、何十年に一度が数年に一度、あるいは毎年となってしまうのか心配になってきます。これまでは台風の影響で被害が出た地域の我々が納入した製品が大丈夫かという心配が主でしたが、台風が発生するたびに、まさに「命を守る行動」を考えなければならない。
 現在はさまざまな技術が発展して台風の規模や進路、雨量などがほぼ正確に予測されていますが、一方ではその対策としては各自治体や個人がどのように備えるかにとどまっています。雨や日射が生活に必要なものであり、洪水は肥沃な土地を作るという意味では大事なのかもしれませんが、これだけ人の生活を脅かす台風に関しては予防保全という考え方だけでは済まず、台風そのものを何とかできないかと思います。台風の情報がわかっているのであれば、台風自体をなんとかすることができないかという疑問が浮かびました。単純に考えると、台風の渦と逆向きの流れを作る、溜まった水蒸気を熱で蒸発させる、台風の中心で爆発を起こして分散させるなど、勝手な発想ができると考えます。また、恐らく台風のエネルギーを知ることで何らかの力ににより台風を消滅させるなど検討すれば可能になるのではないかと考えます。もちろん、そのためには莫大な費用、年月、人員が必要となるとは思いますが。
 日立としても上記のようなことに何か携われることがあるかと考えた場合に、主機というよりは制御の
方で活躍する場ができるのではいかと考えます。人を相手にしたものづくりから自然に対するものづくりというのも新しいビジネスとして必要なのではないかと考えさせられる出来事でありました。
 2019年度から多賀工業会の日立支部と国分支部が合併し日立国分支部として活動することになりました。

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